2009年10月9日金曜日

台風18号の影響で運河でも高潮位に

昨日の出勤時間帯は台風18号の影響で首都圏の鉄道路線の多くがストップし、品川駅では足止めされた乗客が路上にまで溢れて大変な混雑だったそうですね。バスor徒歩通勤の私には無縁の話なんですけど。

さて、品川駅で大変な事態が起きていた頃、品川駅近くの高浜運河でも大変な事態が起きていました。なんと運河の水が溢れて運河沿いの歩道が水に浸かっていたのです。これほど潮位が上がっているのを見たのは初めてでした。

東京都港湾局の潮位記録によれば、東京港の測定点(港南三丁目)の潮位は10月8日9:20頃にA.P.(荒川工事基準面)2.56メートルに達しました。普段は、一番潮位が高くなる9月頃の大潮の満潮時でも潮位はA.P.2.05メートル程度ですから、それよりも50センチも高い潮位を記録したことになります。

台風や低気圧が接近すると、気圧が下がって海水面が吸い上げられる効果と、風で海水が吹き寄せられる効果とが合わさり、高潮が引き起こされます。特に今回のように台風が東京の西側をかすめる形で通過すると、東京湾では南風が吹きますから湾内に海水が吹き寄せられやすくなります。さらに今回は大潮の直後であり、かつ台風の通過と満潮とが同時刻でしたから、高潮が発生しやすい条件が重なっていたことになります。

昨日の潮位は2006年10月以来3年振りの高潮位でした。なお、3年前のくしくも同じ10月8日には、発達した低気圧の影響で異常潮位が引き起こされるという出来事があり、このときには東京港の潮位は最高でA.P.2.72メートルに達しました。歴史をさかのぼれば、大正7年9月30日~10月1日の台風では、東京湾の潮位はA.P.4.21メートルを記録しました。このときは高潮により東京や千葉で1,324人の死者・行方不明者を出しています。

高潮の被害を受けやすいのは大河の河口部の沖積平野です。特に東京東部のゼロメートル地帯では、もし防潮堤が決壊したら大きな被害を受けるおそれがあります。一方、芝浦や港南の埋立地では高潮を心配する必要はほとんどありません。多くの埋立地は、高潮で予想される潮位よりもさらに高くまで土が積まれているためです。実際、昨日の状態からさらに1.5メートルくらい潮位が高くなったとしても、うちの前までは水は来ないだろうなと思いました。

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