2009年4月21日火曜日

芝浦水再生センター再構築続報:人工地盤建設へ

『建設通信新聞』が、2009年4月21日付で、芝浦水再生センター再構築に関する続報を報じていました。

◆再生水施設を増設/東京都の芝浦センター再構築

東京都下水道局は、3期に分けて進める芝浦水再生センター再構築事業のうち、1期事業の始動に伴い、関連施設の整備に着手する。再生水処理施設を増設するほか、現在の雨天時汚水調整池などを覆蓋化するため、人工地盤約3haを整備する。いずれも2009年度に設計を委託する予定だ。着工時期は未定だが、再生水処理施設については、1期事業が完了する14年度ごろの完成を目指す。

再生水処理施設は、既存施設の老朽化に加えて、1期の雨天時貯留施設と業務・商業系ビルの合築事業が始動したことで増設する。

規模は、日量1万4900m3を処理する能力を持ち、地下には1万2000m3の再生水配水池も設ける。設備は膜ろ過を採用する。再生水は、1期で整備する合築ビルにも配水するため、着工時期は同ビルの建設スケジュールと調整した上で進める。処理施設の完成は、同ビルの完成と同時期の14年度を目指す。建設地は、旧海岸通りを挟んで同センター東側にある港区芝浦1-5の敷地約7000m2。

人工地盤による覆蓋化も、1期の着手に伴う事業。延べ18万m2の合築ビルを建設するには、立体都市計画を活用する必要がある。このため、同ビル建設地北側にある新第二沈殿池と雨天時汚水調整池の計3haを暫定的に人工地盤で覆蓋化し、合計5haの建設地として都市計画決定する。都市計画手続きは、今後2年程度かけて進めるため、この間に人工地盤の設置工事を進めるとみられる。

再構築事業は、芝浦水再生センター中央の約10haにある施設を、3期に分けて機能移転しながら連鎖的に更新していく。

1期事業について同局は3月、合築ビルの建設、運営事業者を、エヌ・ティ・ティ都市開発、大成建設、ヒューリック、東京都市開発、NTTファシリティーズ、日本水工設計の計6者グループに決めた。10年度に着工、14年度の完成を目指す。

2期事業は、1期の合築ビルが完成する14年度以降に、同ビル北側の人工地盤約3haのうち雨天時汚水調整池の部分を再び改良し、反応槽と第二沈殿池で構成する処理施設を整備する。1期に着手して2期が完了するまで、15年程度をみている。

3期事業は、1期、2期と同じ事業を、現在の旧第二沈殿池、新第二沈殿池、散気式ばっ気槽の敷地で同時に着手する予定だ。

芝浦水再生センターは、昭和6年に稼動を開始した、東京では3番目に古い水再生センターです。設備の老朽化が著しいため再構築が予定されています。品川駅にも近い好立地であることから、設備を再構築するついでに、上部空間をオフィスビルや都市公園として活用する計画が考えられています。

芝浦水再生センター空撮(東京都下水道局

この再構築事業の第一期工事は、今年3月にNTT都市開発を中心とするグループが落札しました。芝浦水再生センターの南西部分の一角にあたる敷地約1万1,000平方メートルに借地権を設定し、地下部分が雨天時貯留施設、地上部分がオフィス・商業ビルになるという合築ビルを建設します。


合築ビル建設予定地(日経BP社
この合築ビルは、地上32階地下2階建て、容積対象延べ床面積17万9,980平方メートルとありますから、面積や高さが丸の内パークビルディングとほぼ同じになります。丸の内パークビルディングは間近で見るとかなり巨大に感じますので、これと同じようなビルが建つのかと考えるとびっくりします。

建設通信新聞の記事でよくわからなかったのが、「同ビル建設地北側にある新第二沈殿池と雨天時汚水調整池の計3haを暫定的に人工地盤で覆蓋化し、合計5haの建設地として都市計画決定する。都市計画手続きは、今後2年程度かけて進めるため、この間に人工地盤の設置工事を進めるとみられる」という部分です。

容積率の関係で、上の空撮写真で青い天蓋となっている部分のうち、左半分は合築ビルの敷地に含まれるのですが、この記事は、今後2年程度のうちにこの部分が人工地盤で覆われることになると言っているように思います。もしそうであれば、水再生センターの風景は、今後2年程度で大きく変わることになります。

0 件のコメント:

コメントを投稿