高浜運河で5月初めに孵化したカルガモの雛鳥(高浜運河A)は、6月9日に6兄弟が一緒にいる様子が確認されたのを最後に、芝浦・港南エリアの運河では見かけなくなりました。きっと、親鳥と離れて行動するようになり、独り立ちを果たしたのではないかと思います。
新港南橋近くの高浜運河では、カルガモの変わった生態が観察されました。写真は、後述する高浜運河Oのカルガモ親子の母親が、雛鳥の前で水中にダイブしてみせ、雛鳥がそれを真似ている様子です。潜って餌を取る方法の教育でもしていたのでしょうか。
他にもこの母親は、雛鳥の前で水上を猛スピードで進んでみせたりしていました。きっとスパルタ教育ママですね。
また、今日は高浜運河にマルガモのオスらしき個体が飛来していました。マルガモとは、マガモとカルガモとの交雑種の俗称です。芝浦・港南エリアでは初めて目撃しました。
マルガモは不忍池などにいるそうなので、そちらから飛んで来たのかもしれませんが、この界隈で誕生しているとしても不思議ではありません。
さて、6月14日の時点で、高浜運河を中心とする芝浦・港南地域で私が確認したカルガモ親子は下記の通りでした。
ファミリー名 |
推定孵化日 |
初回確認雛 |
6/14の状況 |
備考 |
高浜運河B |
5/18~19 |
5羽 |
5羽 |
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芝浦B |
5/27以前 |
11羽 |
3羽 |
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高浜運河G |
5/22~26 |
計33羽 |
8羽 |
C~Fのいずれか 5/30に9羽を確認 |
高浜運河I |
5/29以前 |
2羽 |
2羽 |
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高浜運河N |
6/1~4 |
計19羽 |
12羽 |
J~Mが合流 |
高浜運河O |
6/10以前 |
4羽 |
4羽 |
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高浜運河P |
6/8~9 |
2羽 |
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6/12まで |
高浜運河Q |
6/12以前 |
3羽 |
3羽 |
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高浜運河R |
6/12~13 |
8羽 |
8羽 |
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5月中旬に孵化した5羽(高浜運河B)です。成鳥の体毛へと生え換わる時期に来たようで、もさっとした感じになっています。
芝浦アイランドの周辺にいる3兄弟です。5月下旬に孵化した11羽(芝浦B)のうちの生き残りとみられます。先週の時点では4羽が生存していましたが、1羽減ってしまいました。
5月下旬に多数が孵化した中の生き残りとみられる8羽(高浜運河G)です。この他に高浜運河Gには1羽だけ体の小さな雛鳥がいましたが、6月12日を最後に見かけなくなりました。
体の小さな雛鳥のことはいろいろな方が心配してくださっていたのですが、残念ながら死んでしまったようです。高浜運河Gの雛鳥たちは、成長するにつれて行動範囲がどんどん広がっているようです。体の小さな雛鳥は、兄弟たちについていけなくなってしまったのかもしれません。
遠目ですが、成長の程度からみて5月末に孵化した高浜運河Iとみられる2羽と親鳥です。このファミリーは浜路橋と高浜橋の間で見かけることが多いです。
これは6月1日から4日頃にかけて孵化したとみられる12羽の雛鳥たちです。7日の時点では18羽が4つのファミリーに分かれていましたが、その後、親鳥どうしが喧嘩したり、雛鳥もあっちに行ったりこっちに行ったりして、各ファミリーの雛鳥の数は増えたり減ったりを繰り返していました。
親鳥にも、自分の子供とよその子供とを見分けて、よその子供が近寄ってくると攻撃して追い払う母親もいましたが、見分けられないのか、何もしない母親もいました。
最終的には4つのファミリーがひと塊になってしまったようです。減った分の6羽は、これまでの過程で母親とはぐれたり、よその母親に噛み殺されたりしたのではないかと思います。生き残った12羽は改めて高浜運河Nとナンバリングすることにしました。
スパルタ教育ママが率いる高浜運河Oです。10日に初めて目撃したときには生まれたてという感じではなかったので、孵化したのはその2~3日前だったのかもしれません。
高浜運河Pです。9日の時点で、孵化したばかりとみられる2羽がいるのを見かけましたが、12日を最後に見かけなくなりました。残念ながら既に2羽とも死んでしまったのではないかと思います。
高浜運河Qの3羽は6月11日前後に孵化したとみられます。父親らしきオスがぴったりと寄り添っていることが多いです。
6月13日に初めて見かけた8羽(高浜運河R)です。まだこんなに生まれてくるのか、と改めて驚かされました。新港南橋周辺では相変わらず過密状態が続いていますので、この8羽も無事成長することは難しかろうと思います。
相変わらず毎週のようにカルガモの雛が生まれてきますが、私がカルガモの営巣場所ではないかと睨んでいるのが、浜路橋の北側のこの草むらです。
この場所は、いずれは舗装されて運河沿いの遊歩道となります。そうなればいよいよカルガモの営巣場所がなくなってしまいますので、カルガモプロジェクトの研究成果を生かした人工浮き巣の整備が高浜運河でも必要になってくるのではないかと思います。