高浜運河では、5月下旬に相当数のカルガモの雛が孵化したらしく、一時期は雛で大混雑するありさまとなりました。5月27日の朝には、芝浦・港南エリアの運河沿いで5ファミリー45羽の雛鳥を確認することができました。
次の3枚の写真は26日から28日に撮影したものです。26日の朝には孵化して間もないとみられる9羽の雛鳥(高浜運河F)を確認しました。
雛混ぜ?により11羽から16羽に増えたファミリー(高浜運河C)は、また1羽混ざってしまったらしく、今度は17羽に増えていました。
芝浦アイランドの渚橋の下では、新たに孵化したとみられる11兄弟(芝浦B)の姿が見られました。
27日朝の時点での状況をまとめると下記の表のようになります。このとき高浜運河Aや芝浦Aも、確認はできませんでしたがどこかにいたと考えられるため、この時点では50羽以上の雛鳥が生存していたことになります。
ファミリー名 | 推定孵化日 | 初回確認雛 | 5/27の状況 | 備考 |
---|---|---|---|---|
高浜運河A | 5/3~4 | 7羽 | 確認できず | 5/25に6羽を確認 |
高浜運河B | 5/18~19 | 5羽 | 5羽 | |
芝浦A | 5/18~19 | 7羽 | 確認できず | |
高浜運河C | 5/22~23 | 12羽 | 16-17羽 | |
高浜運河D | 5/23~24 | 3(6?)羽 | 確認できず | |
高浜運河E | 5/24~25 | 4(6?)羽 | 4羽 | |
高浜運河F | 5/26以前 | 9羽 | 8羽 | |
芝浦B | 5/27以前 | 11羽 |
5月28日から29日にかけては雨が降りました。30日と31日に再度芝浦・港南エリアの雛鳥をカウントしたところ、5ファミリー28羽しか確認できませんでした。特に、今月上旬から中旬にかけて孵化した雛鳥たちは相変わらず元気でしたが、下旬に孵化した雛鳥たちの数は、5月27日頃の総数約40羽から、10羽にまで減っていました。30日から31日の時点での状況は下記の通りです。
ファミリー名 | 推定孵化日 | 初回確認雛 | 5/31の状況 | 備考 |
---|---|---|---|---|
高浜運河A | 5/3~4 | 7羽 | 6羽 | |
高浜運河B | 5/18~19 | 5羽 | 5羽 | |
芝浦A | 5/18~19 | 7羽 | 7羽? | 雄が随伴 |
高浜運河C | 5/22~23 | 12羽 | 行方不明 | |
高浜運河D | 5/23~24 | 3(6?)羽 | 行方不明 | |
高浜運河E | 5/24~25 | 4(6?)羽 | 行方不明 | |
高浜運河F | 5/26以前 | 9羽 | 行方不明 | |
芝浦B | 5/27以前 | 11羽 | 行方不明 | 執筆後に4羽を確認 |
高浜運河G | 5月下旬 | 9羽 | C-Fとの関連は不明 | |
高浜運河H | 5月下旬 | 1羽 | C-Fとの関連は不明 | |
高浜運河I | 5/29以前 | 2羽 | 行方不明 | 執筆後に2羽を確認 |
以降は30日と31日に撮影した写真です。まず、今月初めに孵化した6羽(高浜運河A)です。26日以降の一時期、高浜運河では彼らの姿が見えませんでしたが、30日には戻ってきていました。成長して行動範囲が広がったのと、混雑を避けて他に餌場を求めていたのかもしれません。
今月中旬に孵化した5羽(高浜運河B)は、孵化以来ほぼ毎日、新港南橋付近にいる姿が確認されています。
この7羽は30日に新港南橋付近で見られました。断定的なことは言えませんが、成長の程度から考えると、19日に芝浦アイランド近くの人工浮き巣で孵化した7兄弟(芝浦A)かもしれません。
この9羽は、体格的には5月下旬に孵化したもののように見えます。おそらく高浜運河C~Fと芝浦Bのうちの生き残りと考えられます。どのファミリーが生き残ったのかは不明ですので、新たに高浜運河Gとナンバリングすることにしました。
そして、どうやら母一人子一人になってしまった親子(高浜運河H)です。これも5月下旬に孵化した雛鳥のうちの生き残りと考えられます。
いなくなった雛鳥たちは、高浜運河の混雑を避けてどこかに新天地を見つけたと思いたいところですが、孵化して間もない雛鳥の行動範囲を考えればその可能性は低いでしょう。
この水域で50羽以上もの雛鳥が成長してゆける量の餌を供給できるとは到底思えませんので、おそらく餌不足で弱っていたところに雨にあたって衰弱死したのではないかと思います。ナワバリ争いに巻き込まれて殺されてしまった雛鳥もいたかもしれません。5月中旬以前に孵化した雛鳥たちは、既に成長して体力もついており、餌不足もナワバリ争いも乗り切ることができたのだろうと思います。
5月中旬以前に孵化した雛鳥たちがほとんど欠けることなく成長しているところを見ると、少なくともこのエリアでは天敵に捕食されることは少ないようです。雛鳥の主な死因と考えられるのは餌不足とナワバリ争いで、いずれも本質的には個体数の過密に起因します。ここから言えることは、このエリアでこれ以上カルガモの生息数を増やすのは無理ではないかということです。
(追記)5月29日に確認した2羽(高浜運河I)です。生まれたてに見えますが、以前に孵化した中の生き残りの可能性も捨て切れません。この記事を執筆した時点では生死不明でしたが、その後、この2羽とみられる雛鳥が確認されました。
0 件のコメント:
コメントを投稿