2009年8月24日月曜日

国土交通省地価LOOKレポート2009年8月

国土交通省地価調査課が3か月に1度発表している「主要都市の高度利用地地価動向報告」(地価LOOKレポート)の平成21年8月版が公表されました。これは、平成21年第2四半期(4/1~7/1)における全国主要都市の地価動向をまとめたものです。

調査対象となった150地区のうち147地区で地価は下落しており、依然として下落傾向は続いています。辛うじて横ばいとなった3地点は新潟駅南、鹿児島中央駅、武蔵小杉でした。武蔵小杉では来年3月の横須賀線の新駅開業が期待を押し上げたようです。

東京23区内では全ての地区で地価は下落しましたが、一部の地区では底入れの兆しが見えてきたようです。特に芝浦では「底入れの兆しが確かになりつつある」とのコメントでした。以下に芝浦に関する評価員のコメントを抜粋します。

  • 芝浦地区周辺における取引価格は下落傾向が見られるが、当該地区のマンション価格は下げ止まりの兆候を顕著に示してきており、当該地区内には土地の取引は見られないものの土地価格は底入れしてくるものと見られる。
  • 不動産価格が下落傾向にあることから期待利回りは上昇している。また、取引利回りは価格が急落したことから大幅な上昇を示していたが、当地区では当期は前期と比較して空室率の低下がはっきりと見られ、賃料も堅調であり取引利回りの上昇傾向は鈍化すると見られる。
  • 当該地区内には新規分譲はないものの最近分譲された超高層分譲住宅の中古の売出しが多く、この売出し価格は、前期は大幅な下落傾向から横ばいと底入れの兆しを見せていたが、当期はその傾向が明らかになりつつある等、マンション分譲価格は底入れしてきており、横ばい傾向にある。
  • 当地区内の超高層賃貸住宅の募集賃料は横ばいで推移しており、空室も前期は大幅に減少したが、当期も減少が続いておりマンション賃料は下げ止まりつつある。
  • 当該地区では土地の取引はないが、中古マンションの売出し価格は、前期は大幅な下落から横ばいへ転じつつあったが、当期は前期と同様に横ばいと底入れが近いと見られ、また、賃貸住宅の空室も前期と同様に当期も減少しおり、地価動向はやや下落傾向にあるものの底入れの兆しが確かになりつつある。

これとは全く別に、先日のダイヤモンドオンラインの記事では、不動産専門家の「東京都区部で特に上昇中なのが港区、なかでも田町駅周辺、三田、芝浦、高輪あたり」というコメントが掲載されていました。このエリアでは地価はいよいよ底入れでしょうか。

ただし景気動向から考えれば、底入れから反転上昇というわけにはいかないでしょうね。

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